イスラエルとハマスの間まで中断ちゅうだんしていた戦闘せんとう休止きゅうしや人質ひとじち解放かいほうに向むけた交渉こうしょうについて、イスラエルの有力ゆうりょくメディアハーレツなどは、17日にち夜よるに開ひらかれる閣議かくぎのあと、交渉こうしょう団だんが18日にちにカタールに向むけて出発しゅっぱつする見込みこみだと伝つたえ、交渉こうしょうがこの日ひから再開さいかいされるものとみられます。

ただこれまでのところ最終さいしゅう的てきに停戦ていせんとイスラエル軍ぐんの撤退てったいを求もとめるハマスと、それを認みとめないイスラエルの間まの立場たちばの隔へだたりは埋うまっていません。

こうしたなか、ネタニヤフ首相しゅしょうは17日にちの閣議かくぎで「国際こくさい社会しゃかいから圧力あつりょくが強つよまっているのは事実じじつだ。しかし、われわれは圧力あつりょくには屈くっしない。ハマスせん滅せんめつのため、ラファでの地上ちじょう作戦さくせんを始はじめる」などと述のべ、国際こくさい社会しゃかいから重大じゅうだいな懸念けねんが相次あいつぐ中なかでも、避難ひなん者しゃ150万まん人にん近ちかくが住すむ南部なんぶラファへの地上ちじょう作戦さくせんに踏み切ふみきる姿勢しせいを重かさねて強調きょうちょうしました。

これに対にたいし、パレスチナ外務省がいむしょうは声明せいめいで「ネタニヤフによって繰り返くりかえされるラファ侵攻しんこうの脅おどしは、国際こくさい社会しゃかいに対にたいする挑発ちょうはつだ」などと非難ひなんしました。

ガザ地区ちくでは人道じんどう状況じょうきょうが日に日ひにひに深刻しんこく化かしていますが、イスラエルとハマスの間まの交渉こうしょうが進展しんてんするかは予断よだんを許ゆるさない状況じょうきょうです。

ラファへの地上ちじょう作戦さくせん強調きょうちょうに懸念けねんの声こえ相次あいつぐ

イスラエルのネタニヤフ首相しゅしょうが、ガザ地区ちく南部なんぶラファへの地上ちじょう作戦さくせんに踏み切ふみきる姿勢しせいを強調きょうちょうする中なか、EU＝ヨーロッパ連合れんごうや周辺しゅうへん国こくの首脳しゅのうなどからも懸念けねんの声こえが相次あいついでいます。

EUのフォンデアライエン委員いいん長ちょうと、イタリアやギリシャなどEU加盟かめい国こく5か国かこくの首脳しゅのうは、17日にちエジプトの首都しゅとカイロを訪おとずれ、シシ大統領だいとうりょうと会談かいだんしました。

会談かいだん後ごの記者きしゃ会見かいけんで、シシ大統領だいとうりょうは「イスラエル軍ぐんによるラファでの軍事ぐんじ作戦さくせんを断固だんことして拒否きょひすることで首脳しゅのうらと一致いっちした。すでに悪化あっかしている人道じんどう危機ききをより深刻しんこく化かさせるだけだ」と述のべ、EU各国かっこくに対にたいし即時そくじ停戦ていせんの実現じつげんに向むけ、イスラエルへの働はたらきかけを強つよめるよう求もとめました。

またEUのフォンデアライエン委員いいん長ちょうは「私わたしたち全員ぜんいんが、ラファでの大だい規模きぼな攻撃こうげきが、無む防備ぼうびな市民しみんに及およぼす危険きけんを非常ひじょうに懸念けねんしている。何なにとしても避さける必要ひつようがある」と述のべました。

さらにギリシャのミツォタキス首相しゅしょうは「起おこりうるラファへの地上ちじょう侵攻しんこうを前まえに、私わたしたちはみなガザ地区ちくの状況じょうきょうを深刻しんこくに懸念けねんしている。ガザ地区ちくの人道じんどう状況じょうきょうは受け入うけいれがたい」と述のべたうえで、人道じんどう状況じょうきょうの改善かいぜんに向むけて可能かのうなかぎり支援しえん物資ぶっしを搬入はんにゅうすべきだと訴うったえました。

ドイツ ショルツ首相しゅしょう イスラエルでネタニヤフ首相しゅしょうと会談かいだん

ドイツのショルツ首相しゅしょうは17日にち、訪問ほうもん先さきのイスラエルでネタニヤフ首相しゅしょうと会談かいだんしました。

会談かいだん後ごの記者きしゃ会見かいけんで、ショルツ首相しゅしょうは、ネタニヤフ首相しゅしょうがガザ地区ちく南部なんぶラファへの地上ちじょう作戦さくせんに踏み切ふみきる姿勢しせいを示しめしていることについて「軍事ぐんじ的てきな論理ろんりも考慮こうりょすべきだが人道的じんどうてきな配慮はいりょもすべきだ。ラファにいる150万まん人にん以上いじょうの住民じゅうみんはどう守まもられて、どこに避難ひなんすべきなのか」と述のべ、民間みんかん人じんの保護ほごなしに作戦さくせんを進すすめるべきではないという考かんがえを強調きょうちょうしました。

一方いっぽう、ネタニヤフ首相しゅしょうは「イスラエルは、民間みんかん人じんの犠牲ぎせいを最小さいしょう限げんに抑おさえ、必要ひつような人道じんどう支援しえんを最大限さいだいげん行おこなうためには、できることをすべて行おこなう」と述のべ、ラファへの地上ちじょう作戦さくせんにあたっては民間みんかん人じんの犠牲ぎせいを抑おさえるよう配慮はいりょする姿勢しせいを示しめしました。